ありがとうキャラバン第六回は、埼玉県・大宮で開催致しました。
前回の北海道・札幌のキャラバンが2月7日に行われましたので、およそ一月半ぶりです。
今回訪れた埼玉県は、都心からほど近く、ベッドタウンとして東京や他県から移り住む人が多いこともあり、右肩上がりで総人口が増え続けています。(総務省:住民基本台帳人口推移報告 平成27年結果)
特に旧浦和・大宮・与野が合併してできたさいたま市は都市開発が進み、企業誘致や外国人転入数も全国でトップクラスを誇り、ベッドタウンだけでない、さいたま独自の魅力を生み出し続けています。
「埼玉に来たよー!大宮駅の中、お菓子屋さんが多くてあま~いにおいがする!」
今回のキャラバンメンバーは、営業部の五十嵐、運用部シニア・アナリストの樋口、人事・財務部の上神田です。特に業務上お客様と関わることの少ない上神田は、直接お会いしてお話しすることのできるキャラバンをとても楽しみにしておりました。
会場は、大宮駅から徒歩5分のところにあるソニックシティ大宮をお借りしました。
ありがとうキャラバンの横断幕やひふみろの名刺など、新しい旅のお供も続々と登場しています!
「僕のグッズがたくさん!!そろそろ一人前のロケットになれたかな?」
受付にはコミュニケーション・センター部の石川も駆けつけました!
優しい笑顔でお客様をお出迎えする樋口、石川、ひふみろ。
3連休前の金曜日にも関わらず、たくさんのお客様にお越しいただきました!
今回の講師は、営業部の五十嵐と運用部のシニア・アナリスト樋口です。
レオス・キャピタルワークスの創業メンバーでもある五十嵐からは、当社の歴史や社名の由来について。樋口からは、「“樋口流”の良い会社の見つけ方」を紹介させていただきました。
樋口は、薬科大を卒業したのちに前職のベンチャーキャピタルに就いた経緯や、雑居ビルで飛び込み営業をした経験、そこで培った“直接企業を目で見るために足で稼ぐ”という企業調査における自身の取組みについて話していたよ。
懇親会には、埼玉県のお客様だけでなく近郊の東京や千葉県のお客様にも参加していただき、とても和気あいあいとした雰囲気でした。
参加してくださった20代の女性のお客様から「高校生の頃から投資をしていたが自分では難しいと感じ、信頼できる投資信託を探していた。最近ひふみ投信を知ったため初めてのセミナー参加だったが、考えていた運用会社のイメージよりもだいぶ柔らかかったので安心した。」というお話を伺い、とても嬉しく思いました。
実は今回埼玉県に来たのはセミナー開催だけではなく、もう一つ大切な目的がありました。
埼玉県伝統工芸モデル工場に指定されている、飯島桐箪笥製作所の見学です!
ひふみ投信では「桐たんす物語」(http://123.rheos.jp/labo/lesson/asset-formation.jsp)という、長期投資の本質を桐の木を植えてから、たんすになるまでの工程に例えて伝えていくコンテンツをお客様にご紹介しております。
今回は実際に桐たんすを今でも伝統的な手法を用いて製作されている埼玉県春日部駅にある飯島桐箪笥製作所へお邪魔し、その様子を見学させていただきました!
飯島桐箪笥製作所の二代目経営者で桐箪笥職人の飯島勉さんに案内していただきました!
「飯島さんは伝統工芸士で、伝統技術を用いて桐たんすを作っているんだ!自ら東北に足を運んで桐の木を仕入れたり、陶芸家の方とタッグを組んで新しい桐たんすを作ったり、桐たんすに情熱をかけるとっても素敵な職人さんだったよ~!!」
陶芸家の方と共同製作している桐たんすの試作品。桐箪笥というと古風なイメージがありますが、職人同士のコラボレーションによって、今までにない新しい桐たんすがこうして作り続けられています。
植林ではない天然の桐の木は、種子の98パーセントが発芽できないそうです。たまたま良い条件が重なった2パーセントの木だけが、実生(みしょう)といって、実を結ぶことができるそうです。
飯島桐箪笥製作所では、天然の桐の木のみを使用しております。
そして天然だからこそ、とても珍しい自然現象も起こります。
こちらは、桐の木に玉杢(たまもく)と呼ばれる模様の入った板です。特殊変異で、表面上とてもデコボコしているように見えますが触ってみると平らになっており、非常に神秘的な柄。
天然木だからこそ出会える自然現象で、飯島さんは40年間桐の木と向き合い続けてきて未だこの玉杢(たまもく)のある木を2本しか見たことがないと仰っていました。
「とっても貴重な木なだけあって、神々しいオーラが出ていたよ!
樋口さんはご利益がありそう!と言いながらたくさんさわってたよ~!!」
飯島さんが手に持たれている黒い金具は、桐たんすの横に取り付けるためのものです。桐たんすを数える単位は「棹」(さお)であり、ひとさお、ふたさおと数えます。
江戸時代にこの金具に棹を通して桐たんすを運んだことから由来しています。ですので、この金具をつける部分のない桐たんすは実は本当の桐たんすではない、とお話しされていました。
こちらは板同士を留める際に使われる木釘(きくぎ)です。鉄製の釘を使ってしまうと、カンナをかけたときにカンナが傷ついてしまったり、たんすに使われた木の伸縮に合わせられず、たんすが傷みやすくなってしまったりするのだそうです。
お客様のためにより付加価値の高いものをお作りしたい、という想いが天然木の使用や細部へのこだわりに表れています。こちらの製作所のように一つ一つの工程を伝統手法に基づいて製作されている桐たんすは珍しく、それゆえに伝統工芸品として認められています。
桐たんすの修理や再生もこちらの製作所で行われているそうです。
「桐たんすというのは、わざと壊れやすい部分を、直しやすい箇所に作っておくんです。弱点となるような部分をあえて用意することによって、そこに負荷が集中します。壊れてしまっても直しやすい箇所ですので、修理をすることで、お客様に長く使っていただくことができるからです。」
ここで、以前ひふみ投信の運用責任者の藤野が投資する企業を選ぶ際、「一部は自分の感性にない企業にも必ず投資をするんだ」と話していたことを思い出しました。
どんな人にも「得意・不得意」は存在し、「不得意」なモノには目が向かなかったり、興味がわかなかったりします。
私たちはある程度将来を予測しながら、成長するであろう企業に投資を行いますが、そこにはひふみ投信の目利きにおける「得意・不得意」が存在し、どうしても得意なものに偏ってしまいがちです。そういった価値観の偏りを避けるため、藤野はあえて「不完全にすること」を心がけているといいます。
「自分が“完全だ”と思って作ったモノも、もし逆風が吹いたら簡単に崩されてしまう。あの有名な日光東照宮も、一本だけ逆さの柱がある。“建物は完成した瞬間から崩壊が始まる”という伝承があって、完成させないためにわざと一本だけ逆さまに立てたんだよ。」
飯島桐箪笥製作所で作られている桐たんすも、ひふみ投信も、お客様により長く保有していただくために、作り手が考える“完全”なものを作っていません。それは、あえて自分とは異なる価値観を取り入れることによって、将来的なリスクを減らす効果が期待しているからです。
今回桐たんす製作所を見学させていただいたことで、改めて、長期的にお客様に愛される商品を作るために必要な繊細さ、勤勉性を学ぶことができました。そして何よりも、使っていただくお客様への真摯な想いを、ひしひしと感じました。
「買っていただく」という行為までがゴールなのではなく、ずっと長くお客様の人生に寄り添い、サポートすることを目標にしているのが、長期投資の本質だということが分かりました。
ひふみ投信がお客様にとってそんな商品になれるよう、そしてなり続けられるように、これからも精一杯良さをお伝えしていこうと思います。
埼玉県は、人口が増加し開発も進んで非常に近代的なさいたま市があったり、伝統工芸が今なお残り続ける春日部市があったりと、モダンとトラディショナルを兼ね備えたとっても素敵な県でした!
参加してくださった埼玉の皆様、飯島桐箪笥製作所の皆様、ならびにブログをご覧いただいた皆様、本当にありがとうございました!
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